まだ手描き?CADはあらゆるシーンの図面作成で大活躍


CADはコンピュータによる設計支援

CADは「キャド」と読みます。コンピュータによる設計支援の頭文字を取ったもので、そのシステムもCADと呼ぶことが一般的です。もともとはドラフターを使って行っていた製図業務を、コンピュータ化したものがほとんどでした。その後、3次元化も行われ、CADのデータをそのまま製作機械に流し込んで加工も行えるようになったのです。3次元でデータ化された設計図面にレンダリングを施すことでCGモデルを描くこともできますから、アニメーション制作でも利用されます。CADはそれこそ走り描きのスケッチから、超精密図面まであらゆる図面作成に利用できるのです。

CADの強みはスケールが無限大であること

CADの大きな強みは、全てを実寸で描くことができることにあります。例えばウイルスの絵を描く必要があったとしましょう。手描きで描こうと思うとスケールを変換しないと描けません。新型コロナウイルスの場合、直径が100~200nmで、コロナ状の突起の長さが20nmです。1nmは10億分の1mですから、手で描こうと思うと100万倍して直径100~200mmくらいにしないと実際的ではありません。これがスマホにくっつくイメージを描く場合、スマホの一部も100万倍して描く必要があります。一方CADでは100nmはそのまま1000万分の1mサイズで描けますし、スマホは150mmで描けます。

いちいち換算しなくて良いのは、間違いを防ぐ意味でも重要なファクターです。例えば会議机の上にファイルとペンがあると言うデザイン検討資料を作る際でも、幅2.7mのデスクの絵を実物大で紙の上に描くのはけっこう大変かも知れません。そうした際にもすべて実寸大のデータとして処理ができて、画面上や紙の上に出力する際にスケールを調整するだけで済むCADは間違いを防ぐ意味でもとても便利なのです。

水道CADは3Dに対応している商品が進出しています。これにより複雑な水道管の設計を容易にすることができるのです。